2003.7-9

 


 20年目の慰霊祭 (2003年9月9日)

 米ソ冷戦の狭間で、あの大韓航空機事件が起こったのは1983年9月1日のことでした。今年はその20年目にあたります。それで、9月1日には稚内の宗谷岬平和公園に建てられた「祈りの塔」の前で20年目の慰霊祭が行われることになり、私も妻と長男を亡くした遺族として、その慰霊祭に出席してきました。
 
 長男が中学・高校時代を過ごした札幌の自宅には、まだ妻や長男の衣類や遺品がそのままになっていましたので、この機会に思い切って処分することにし、それらを庭の片隅に持ち出し、何日かかけて少しずつ焼却しました。それぞれに見覚えのある衣類や遺品などが燃えていきますと、白い煙が立ちのぼって庭の上で揺れ動き、やがて、青空の中に吸い込まれるように消えていきます。その情景をしみじみと眺めていたのが、今年の夏の思い出として、私の胸の中には残っていきそうです。
 
 二階の長男の部屋の窓は、真っ直ぐ北に向いていて、遠くに日本海を見下ろす位置にあります。長男の使っていた机に座り、その海を眺めますと、その視線の延長線上には稚内があり、その奥にはサハリンがあって、あの「007便」が沈んでいるはずのモネロン島沖と一直線に結ばれています。長男が中学を卒業したときの「卒業文集」がいまも残っていますが、そのなかに、「ひとつだけ願いが叶うとすれば、なにを願う?」という卒業生一人一人に対するアンケートがありました。長男は、そのアンケートに、「平和に生き続けること」と書いています。この机に座ってこれを書いていたはずの長男は、その時も、この窓から、やがては自分が散ることになる北の海の彼方を見ていたのでしょうか。長男の、平和に生き続けたいという「唯一の願い」は、それから、たった5年半で潰えてしまったのです。
 
 長男の机の引き出しに、彼の小さな、手のひらに乗るくらいのトランジスタ・ラジオがありました。中学と高校時代のもので、東京の大学に入ってからは東京の家で別のラジオを使っていましたから、この小さなラジオは、この机の引き出しの中に22年以上もしまわれていたことになります。かつて、私もこのような小さなトランジスタ・ラジオを持っていて、それを忘れて数年間放置しておいたものですから、なかの電池が腐食して流れだし、ビニール製のカバーもベトベトになって、全く使えなくしてしまったことがあります。私は、当然、この長男のラジオもダメになってしまっていると思いました。ところが、スイッチを入れてみると、この22年以上経っているはずの小さなラジオは、なんの支障もなく、大きな音量で放送を流しはじめたのです。

 私は、今年の講演集「いのちの真実を求めて」のなかで、長男が東京の家の自分の机の上に残していた五百円硬貨くらいの大きさの「おもちゃの時計」のことを書きました。毎日12時15分になると、「タタタータタ、タータラ、ラーラ・・・・・」とメロディが流れ、文字盤の上で人形が踊るのです。それが毎日、11年以上も続き、不思議なので、ビデオにとって記録しました。霊能者のアン・ターナーは、それは「あなたに霊界のことを理解させるために鳴り続けたのだ」、と言っていましたが、この札幌の長男のラジオの22年ぶりの放送も、札幌で「再会した」長男からのメッセージなのかな、と思ったりしています。






 新しい発見を求めて (2003年8月16日)

 武本先生

返信をいただき有難うございました。お子様を亡くされたご婦人の件ですが、うまく表現が出来ずに失礼しました。的確な補足を付け加えていただき有難うございます。

長江寺さんの先祖供養の料金ですが、1人2万円というのは何百というご先祖のお1人のご供養料金です。1回にご先祖お1人しか供養する事が出来ないそうです。ご夫婦そろってご供養に伺うので遠方の方は、2人分の交通費とご供養料が必要になるようです。それだけの時間やお金をかけて真剣に先祖のご供養をしようという姿勢、心が大事なのでしょう。萩原氏は萩原氏の波長に合う、皆様への真実をお伝えするお役目なのですね。

娘が亡くなってすぐに、本棚に10年以上眠っていた「スピリチャルヒーリング@」ベティ・シャイン著(教文社)を読んで、大分心が癒されております。著者はイギリスでも有能な霊媒です。彼女の人柄が文章のあちらこちらににじみ出ていて心が温かくなります。

彼女の人柄に惹かれて日本で翻訳された本は一応読んでみました。又、何か発見がありましたらご連絡させていただきます。有難うございました。

      S. K.





 いのちの真実を理解するために
 
(2003年8月16日)

 S. K. 様

  メールを有り難うございました。私のお話しした内容に関連して、少し補足させていただきたいと思います。

  「お子さんを亡くされた年輩のご婦人」のお話で、「もっと大変な方が沢山おられるし、自分1人が苦しい思いをしているのではないと知ったら、気持ちが大きく変わって・・・・」とあるところで、大切なのは、自分よりももっと不幸な人がいることを知れば慰められる、という趣旨ではないということでしょう。いのちの真実を知ることによって、気持ちが大きく変わっていくのだと思います。「死んだ」と思っていた最愛の家族が「生きている」ことを理解して、はじめて、物事の捉え方も変わっていくのではないでしょうか。ですから、「もっと大変な方」というのは、本来、「もっと幸せな方」のことで、そのことに本当に気がついたときに、「不幸」は「幸せ」に変わって、しみじみと慰められるのだと思います。

  ただ、そのようないのちの真実を理解するのは、なかなか容易ではありません。おそらく、「求めよ、そうすれば、与えられるであろう。捜せ、そうすれば、見いだすであろう。門をたたけ、そうすれば、あけてもらえるだろう」と、聖書のマタイ伝(7・7)にもあるように、ひたすらに、求めていくほかはありません。萩原玄明さんの著作についても、それが納得出来るのであれば、こんどは、出来れば直接お会いして、いろいろとお話を聞いてみたいと思うのは当然のことでしょう。人によってアプローチも違いますから、いままでの学びのほかにも、なにかをつかみ取ることが出来るかもしれません。個人面談では、そういう気持ちをお伝えいたしました。

 私は、あなたのひたすらに真実を求めようとしておられる姿勢に感銘を受けました。そういうあなたの姿勢から、私もまた、学ばせていただいていることを付け加えて、ここで、あらてめてお礼申し上げます。







 「生と死を考える会」で学ぶ (2003年8月15日)

 武本先生

 先日は、元気の出る説得力のあるお話をありがとうございました。この世を卒業した方の魂が永遠に生き続けているのは「事実」であることを力強くお話下さった事で、とても元気が出てまいりました。又、参加者の中で、10年ほど前にお子さんを亡くされた年配のご婦人の言葉も、とても心に残りました。

 「子供を亡くした事で自分ほど不幸な人間はいないと、暗い気持ちで生きて来たけれど、先生のお話を伺ってから、もっと大変な方が沢山おられるし、自分1人が苦しい思いをしているのではないと知ったら、気持ちが大きく変わって物事の捉え方も変わりました。明るくなりました」と、話されていました。

 それを聞いて、武本先生はお1人お1人の心に光を届けて差し上げているのだなぁと感激して、なんだか嬉しくなりました。きっと武本先生、飯田史彦先生、そして様々な方々が、スピリチュアルな考えを1人1人の心に届けてけて行く事で、闇で迷われている亡くなった方々にまで光の世界を教えて差し上げる事にもつながっていくのでしょう。私も、娘との死別体験を通して、ご縁の有る方に魂の永遠をお伝えして行こうと思います。


   萩原玄明氏へのお問い合わせについて

 先日は、個別相談でもご指導いただきありがとうございました。早速、翌日、長江寺さんにお電話を掛けました。若い住職さんが出られて次のようにお話し下さいました。

 この寺は霊視をする寺ではなく、何百という成仏されていないご先祖の供養を生涯を掛けて、させて頂こうという決意を持った方に来て頂く場所です。1日30件近くお電話が来ますがこの趣旨を理解されて連絡を下さる方は1人か2人位です。皆さんが霊視をして欲しい旨で電話を掛けて来られます。又、ご主人がご健在でしたら、ご主人も同伴でなければご供養や、ご供養前の説明会も出席は出来ない事になっております。(先祖供養と霊視についてご理解をいただく為に、月に1度説明会があるとの事)

 8月は丁度、武本先生のお話会があった日でした。9月は上旬を予定しているそうですが、萩原氏が分刻みで活動されているので、今の所、日にちの確定はしていないそうです。ご主人もきちんと萩原氏の本を読んで先祖供養を生涯掛けてしようというお気持ちでしたら、日にちが決まり次第ご連絡します、と説明して下さいました。

 でも、主人は霊能者はもう、沢山だ!と言って、本も読もうと致しません。又、供養の料金について私はお聞きできなかったのですが、友人が2年ほど前に問い合わせた時に、1人2万円とお聞きしたと言っています。今の所、私には生涯をかけて夫とこちらのお寺で先祖供養をしようという思いには至る事ができません。でも、萩原氏の本から学ぶ事はとても多いと思いましたので、出版されている本は全て読ませて頂く所存です。(今は3冊だけ読ませて頂きました。)

 まだまだ、判らないことが多々ありますが、先生がアドバイスして下さったように一つ一つ自分で学んでいきたいと思っております。又、何かありましたらご指導頂けましたら幸いです。

      S. K.






 「生と死を考える会」に出席して (2003年8月11日)

武本先生
 
昨日は記念すべき第一回目の会に参加させていただきありがとうございました。先生のお話を聞きながら、毎回様々な違った「気付き」を頂いて帰ります。そのたび僅かずつでも自分が成長できるような気がして感謝いたしております。二人の友人たちも大変喜んでおりました。
 
率直に感想を書かせていただきます。失礼がありましたらお許しください。
 
先ず私自身のことですが、先生はビデオを見た後での番組の「感想」を聞かれておりましたのに、私は自身の体験談や気持ちを長々と話しておりました。ごめんなさい。話し終わってからこの事に気が付きました。そして何故なんだろうと考えておりました。
 
会が終わった後、友人たちと三人でコーヒーを飲みながら2時間近く話しつづけました。とても楽しく有意義な時間だったのですが、あることに気がつきました。会に出席されていた他の皆様もこんな風に話がしたかったのではないでしょうか?
 
質疑応答の時も感じたのですが、多くの方が質問ではなく自分の体験や思いを話しておられたように思います。やはり胸の中にしまっていた自分の思いを話す場を求めていらっしゃるのではないでしょうか?きっと皆さん話したいのです。
 
話をすることで自分の気持ちが整理できたり、先生のお話を再確認したり、また他の人の話を聞くことで共感したり、自分が気付かなかったことを教えられたりします。時間がかかって大変だと思いますが、そのような交流の場が出来れば、皆さんの理解も結びつきも深まることと思いますが、いかがでしょうか?
 
「魂の事を知ること」は私たちが生きていく上で本当に大切なことだと思います。みんながこの真実を知ったら生き方が変わります。みんなが幸せになります。世界平和も夢ではありません。未来を悲観している若者たちにこそ是非聞かせたい。心からそう思います。難しいことでしょうか?準備が出来ていない人達に伝える術はないのでしょうか?でも本当に大切なことだからこそ、一歩一歩、一人一人から始まるのでしょうね。
 
長々と書いてしまいました。お時間を取らせて申し訳ありません。ありがとうございました。失礼がありましたらお許しください。 
            鈴木明美





 「生と死を考える会」について (2003年7月28日)

 株式会社溝口祭典主催の「生と死を考える会」が8月から開かれる予定で、私が講師を務めることになりました。ご出席の方々とともに、私も一緒に学ばせていただきたいと思っています。

 溝口祭典では、要項を以下の通り、ご案内しています。

 「生と死を考える会」のご案内

 弊社では、本年8月より、私どもの奉仕活動の一環として、「生と死を考える会」ー武本先生を囲んでー を開催することになりました。最近、お身内様を亡くされた方々を対象とし、弊社のセミナーでもおなじみの武本昌三先生がボランディアとして、講師を務めてくださいます。
 内容は、先生のお話を中心に、質疑応答を含めて一時間半の予定です。ご出席は無料です。また、物品の販売や会員の勧誘などもなく、新興宗教等にも関係はありません。
 私どもは、最愛のご家族を亡くされた方々のお気持ちを汲んで、お別れのあとでも、何かご奉仕できることはないかと考えてまいりました。そして、小さな内輪の集いで、「いのち」や「魂」の真実について語り合い、そして何よりも、供養のあり方などについて知り学ぶことが出来れば、それが大きなこころの安らぎと癒しに繋がっていくこともあろうかと、このような「生と死を考える会」を企画した次第であります。
 お悲しみを超えて、明日に向かって強く生きていくためにも、皆さまのご参加をいただくことができれば、たいへん有難く存じます。

 第1回セミナー  8月10日(日) 午後3時〜4時半
 第2回セミナー 10月18日(土) 午後3時〜4時半
 第3回セミナー 12月14日(日) 午後3時〜4時半
  *セミナー毎の募集になります
  *定員約10名
  *参加費は一切無料です
  *希望される方は終了後個別相談も受けられます
  *お電話でお申し込み下さい
    0426(42)0921  担当:伊藤(恵)・佐々木





 素敵なニュースを (2003年7月10日)

 武本先生
 
 先生、こんにちわ。お元気でいらっしゃいますか?
 
 今日は素敵な事が起こったことを先生にお知らせしたくてメールしました。先月の講演会を聞いた私の友人の一人がこう言うのです。
 
 「武本先生の講演会を聞いて帰る道すがら、にこにこした顔が二つ並んで見えるようになったの。にこちゃんマークのようなその二つの顔が私を優しく見つめていてくれて、私はそれ以来、何だかすごく幸せな気持ちでいられるようになった。原因のわからない不整脈も随分収まってきて、不思議な気持ち。本当に素晴らしいお話を聞かせていただいて感謝しています。」
 
 彼女は生まれてすぐの赤ちゃんを二度亡くしたことがあり、十分に供養をしてあげていないのではないかと心の奥で悔やんでいたのです。その二人の子供が楽しそうな顔で現れて、しかも彼女を見守っていてくれる事を知りました。彼女を取り巻く環境は何も変わっていないのに、それ以来彼女を悩ませていた問題が気にならなくなり、幸せな気持ちで毎日を過ごせるようになったと言うのです。
 
 この素敵なニュースを聞いて、私も本当に嬉しく思いました。先生にも早くお知らせしたくて、ワクワクしながらこのメールを書いています。もう一人の友人はお話に感動して、「僕はここにいるよ。だからもう強く生きてお母さん!」という子供の声が聞こえたような気がしたと話してくれました。
 
 二人とも以前より明るく幸せな顔を見せてくれるようになりました。「魂」の真実を知ることは、こんなにも素晴らしい結果をもたらしてくれるのだと又改めて実感しています。先生、素晴らしいお話をありがとうございました。
 
 溝口さんから、先生を囲んでの「生と死を考える会」が出来ることを伺いました。とても楽しみにしています。私でお役に立てることがありましたら、喜んでやらせていただきます。これからもご指導よろしくお願い申し上げます。
                              鈴木明美

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